足を切断して最初に感じた不安10選!義足生活はその後どうなったか

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切断後は不安がいっぱい

足を切断してすぐの頃、多くの不安がありました。不安なことばかり考えて、「もう人生が終わった」たくらい気持ちになったこともあります。

でも、今は元気に暮らしています。人生が終わったなんて全く思っていません。

むしろ定年までまだまだ長いなぁと思っているくらいです。笑

この記事では、僕が切断直後に感じた不安を10個挙げて、「その後どうなったか」をまとめました。今、不安でいっぱいの方が少しでも楽になれば嬉しいです。

①一生痛みや幻肢痛に悩まされるのか

結論:たまーに痛いが普段はほとんど痛みなし!

まず、切断してすぐは断端(切断した後足の残った部分)が痛くて堪りませんでした。

とにかく寝ても覚めても痛みが強く、痛みがなければどれだけ幸せだろうかと思っていました。

あの頃、僕の場合は人と話している間は痛みはかなり楽になりました。お見舞いに来てくれた家族や友人にはとても感謝しています。

切断後、1月、2月と経つにつれて徐々に痛みは減っていきました。傷口が完治しても、幻肢痛は1年程は残りました。

幻肢痛とは、身体の失ったはずの部分の感覚があり、そこが痛むというものです。人によって程度に差があるようです。

切断から10年弱経った現在、切断による痛みを感じることはほとんどありません。

1年間に1日くらいの頻度で激しい幻肢痛がくる時があるくらいです。そんなときは、気休めに痛み止めを飲んで、なんとか痛みの嵐が去るのを待つようにしています。

幻肢痛は個人差が大きいそうですが、僕の場合は日常で困ることはありません。

②歩けるようになるのか(どこまで回復できる?)

切断してすぐの頃は、座ることもままならず、歩けるようになるなんて想像できませんでした。

右脚は大腿切断(膝上での切断)のため、膝関節がありません。これで一体どうやって歩くのだろうと思っていました。

いろいろありましたが、この記事では結論を書いておきます。

結論:元気に歩けるようになる!1日1万歩くらいなら疲れるが歩ける!

③義足に慣れられるのか(痛みや違和感、装着時間の限界)

結論:全く痛みなく歩けるようになる!義足は1日付けていても大丈夫!

義足で訓練が始まってからの話です。僕はリハビリ病院に入院して初めての義足体験をしていたのですが、初めはまーー上手くいきません。

まず、大腿義足を装着するときに難儀します。私が使用した義足はピン式と言って、シリコンライナーにピンが付いていて、それをソケットにはめて装着するものです。

ですが、なかなかソケットにピンが刺さらない。それだけで30分くらいかかったこともありました。

今思えば、慣れていなかったことに加え、筋トレしながら増量していたので、少し義足がキツかったんだと思います。

また、義足を装着した後も大変でした。立つことも難しく、また、歩くと痛みがありました。しかもすぐに疲れてしまいます。

最初のうちは苦労が多かったのですが、今ではすっかり慣れました。義足の形やシリコンライナーの形を義肢装具士さんに調整いただいたり、ソケットを自分で金ヤスリで削ったり……

時間が経ち、現在は全く痛みなく歩けるようになりました。義足も朝から晩まで付けていても特に問題ありません。

夏場は汗で皮膚が少しかぶれることがありますが、薬を塗って保湿すれば回復します。

今でも歩くスピードは速くありません。しかし、日常ではほとんど歩くことが不自由とは思わなくなりました。

④外出は大変すぎないか(長距離移動•階段)

結論:疲れるが、充分歩ける!階段は使おうと思えば使える。

切断前よりも歩くのに体力を使うようにはなりましたが、長距離歩けないということはありません。1日1万歩くらいなら歩けます。(2025年の大阪万博にいも行きました。疲れはします。笑)

階段は、なるべく避けて、エスカレーターかエレベーターを使用しています。

ただ、階段も使えないわけではありません。上る時は手すりをつかんで一段飛ばしで上ります。

下りる時は、階段の幅等にもよりますが、濡れていなければ手すりをつかんで一足一段(右足左足交互に一段ずつ降りる方法)で降ります。

⑤温泉やプールに入れるのか(人の目や入浴設備の問題)

・温泉について

もともと旅行先で温泉に入るのが好きでした。現在も、友人と旅行に行ったら一緒に入っています。義足は脱衣所の邪魔にならないところに置いておきます。入るときは片足でケンケンで移動します。友人が一緒の時には肩を貸してもらいます。床が硬くブツブツしている温泉だけは、ケンケンすると痛いのでNGです笑

最初は人の目が気になったりもしましたが、友人と一緒だとそこまで気にならず、今はもう慣れてしまいました笑

特にジロジロ見られるということもありません。

・プールについて

プールについては、義足を置いておくロッカールームが濡れていることが多く、どうなのかなあと思いほとんど行っていません。一度、旅先のホテルに誰も人がいないプールがあり、そこに入りました。そのときは案外犬掻きと背泳ぎはできました。

泳ぐのは多少好きだったので、またプールにチャレンジしてもいいかなと思っています。

結論:温泉は行ける!プールはこれからチャレンジかな

⑥車や原付の運転はできるのか(免許更新、改造の必要性)

結論:右足大腿義足の場合、車はオートマ&左アクセル改造車限定。原付はAT限定。AT原付にサイドスタンドを付けて乗っています。

もともと切断前にミッションの普通自動車運転免許を持っていました。また、50ccの原付を所有しており、ほぼ毎日乗っていました。

切断後、義足にも慣れてきて退院した頃に免許センターで運転免許の判定をしていただきました。

事前にTwitterで見た情報では、右脚大腿義足でも、オートマの普通車に乗ってOKになった方がいました。しかし、私の場合、自動車の運転は左アクセル改造済のオートマ車限定となりました。

気軽にレンタカーを運転できない等、いろいろデメリットはありますが……決まったことなので仕方ないと思っています。

原付についても、AT車に限り運転可能となりました。今はSUZUKIのアドレスV50(現在は生産終了)に乗っています。

車も左アクセル改造車に乗っています。このあたりはまた別の記事で詳しく書きたいと思います。

⑦働かないといけないのか

結論:投資はリスキー。働くのも悪くない。

切断後すぐの頃は、義足で歩けるかどうかもわからず、もう働きたくないと思っていました。

大腿切断の場合、多くのケースでは障害年金2級が受給できるようですが、人が一年生活するのに必要な額は頂けません。

働くのが嫌で株式投資についても調べました。『ウォール街のランダム・ウォーカー』という本を読んだのですが、これが人生で1番読んでよかったと思えるほどの投資本でした。要は、「持ち金がすぐに何倍にもなるような投資手法はギャンブル。ギャンブルせずに、こつこつ低リスクな投資信託を買い続けなさい」という内容だったと記憶しています。投資について、自分にとっての結論はこれでよいと思っています。

結局、働くことになりました。幸いなことに、元の職場に復帰することができました。今では働くのも悪くないと思える……という日もあるようになりました笑

⑧仕事は続けられるのか

結論:続けられる。

リハビリ病院を退院し、義足にも慣れてきたころ、職場に復帰しました。義足のこともあり、仕事を続けられるか不安でしたが、内容がPC作業中心なこともあり、現在まで続けられています。

⑨今までの人間関係は終わりなのか

結論:人間関係は終わらない!

事故で足を切断してすぐのころ、何故かもう友人との関係も終わりで、一人で生きていくのだと思い込んでいた時期がありました。

すぐに杞憂だとわかりました。当時の友人はお見舞いに来てくれた人もそうじゃない人も今も友達ですし、切断後に新たに友人になった人もいます。

⑩恋愛・結婚できるのか(相手にどう伝えるか、理解してもらえるか)

結論:恋愛・結婚しました。

切断したころ、僕は20代前半でした。今後新たに恋愛や結婚することはないか。自分を選んでくれる人は現れないのではないかと思っていましたが、縁に恵まれて、出会った方と結婚に至りました。

今後も答えを出していく

ここまで書いてきて申し訳ありませんが、私の体験は1例にすぎず、全員に当てはまるものではないかもしれません。

しかし、切断した私が元気に生きているのは事実です。きっとあなたやあなたの近くの人も、絶望だけじゃない未来があると信じています。

この記事が切断した方の不安を少しでも和らげられれば幸いです。

今後、各テーマを深堀した記事も出したいと思っています。

また、老後も歩けるのか、子育てはできるのか、、等々今後も不安に答えを出していきます。

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